Lemon

死、をテーマにした曲はたくさんあるように思います。
親の死、兄弟姉妹の死、祖父母の死、親戚の死、友人の死、恋人の死。大切に想えば想うほど、想いがふかければ深いほど、その大切な人の死は、圧倒的な絶望感を与えます。
昨日までいた人がいない、その喪失感は明日への力も奪い、自分の存在意義さえ考えさせられます。
大切な誰かを失った時、あの時こうしていればよかった、もっと優しくしてあげればよかった、きちんと伝えればよかった、とできなかった後悔に悩まされ、自分の無力さにまた絶望します。
失ってからでは遅いのに、なくしてから初めてその存在の大きさに気付かされ、苦悩してしまうのです。
圧倒的な絶望感を与える、「死」という事がテーマの、米津玄師さんの「Lemon」という曲を聴いた時、その曲調と歌詞と歌声に、希望を感じました。大切な人を想い、過去を振り返りながら、後ろ向きなようで、でも同時に前向きさも感じていました。
矛盾しているかもしれません。死が与えるものは、絶望感だけでなく、これからの道標になる何かがあるのではないかと感じました。
失ってしまった、なくしてしまったものは、どんなに悔やんでも、もう元に戻ることはありません。
時間を巻き戻すことはできません。でもどんなに苦しくても辛くても、残されたものは生きていかなければならないと思うのです。
この「Lemon」という曲は、悲しみの中に、明日への光を感じるような、素晴らしい曲だと思います。